【指定難病】今更だけど自分の病気について書こうと思う② 確定診断までの検査ラッシュ

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前回:【指定難病】今更だけど自分の病気について書こうと思う① 発覚まで

前回は病気について、症状、発覚の経緯まで書きました。思い出し期間の闘病記は毎週更新にしようと思ったんですが当時なんとなく受診していた内容の精査や書きたいこと、実際に書く作業、修正する時間とを考慮するとなかなか時間かかっちゃいました。ガチ病気の話なのでなるべく間違った情報は出さないようにしたい。

今回は確定診断までにやった検査とそれまでの自覚症状について書こうと思ったのですが、まーた長くなってしまったので検査についてだけ書こうと思います。思い返すと検査検査検査で通院頻度も高かったしこの時期が一番病気関連で忙しかったと思います。でもまだ楽観視していた時期でした。2年半前なので抜け―はないと思いますが順序や詳細に若干不安があります…やっぱり当時すぐに記録残しておくべきだったなぁ。
今回も具体的病名は[指定難病]とさせていただきます。受診する科が出てくるので調べればすぐ分かるかも?

前回の補足

前回冒頭のnoteをやらなかった理由の中で病人属性で配信をやってる人たちをまとめて否定してるような書き方になりましたが、やることは否定しませんし逆に身体が動いてそれができるならそれは良いことだと思ってます。自分も正になんですが大病すると大なり小なり仕事に影響が出ます。今は大丈夫だとしても今後働き続けられるのか、どう収入を立てていくのかめっちゃ不安になります。週5で定時フルタイム通勤して働く、残業もする。それを何もなくても世の中皆が嫌だ辛いって言ってるのに病気したらやりたいと思ってても難しくなります。そんな中自由なスタイルでやれるyoutubeの配信なんかは有効な一手だと思います。実際に収益を得られるかは別としてね。

ただね、前回も書きましたが単純な「ワタシ可哀想なの」アピールは見てて痛キモイし数字の残酷さも突きつけられるので、当事者となってみて自分はやりたいと思えませんでした。だって癌youtuberなんか顕著ですが不調の時ほど伸びるし、だいたい死んだ時が一番数字稼いでるんですよ。投資系chが爆死すると伸びるのと一緒。

また、自分の[指定難病]は絵面的にヒジョーに地味なのでまったくウケを狙えません。実際youtubeで[指定難病]を検索すると医者や医者を目指す人たちの勉強chみたいなとこで名前が挙がる程度で患者さんが配信やってるってのは(おそらく)0でした。症状的には隠して普通にyoutuberやるくらい全然可能なので中にはいるのかもしれませんが売りにしてる人はいないでしょう。見た目に現れる症状もあるのですが、ベッドで管だらけの人や欠損した人達と比べると全然です。そんな言い方!と思った方もいるかもしれません。しかしですね、死んだ時が一番伸びる。そうゆう世界ですよあそこは。確かそうゆうのを指してエリート弱者とか、なんかそんな言葉があったと思いましたがなんだっけ…。最近はLGBTや某NPO団体とかで話題ですが「弱者様」で我が物顔したくないんですよね。

初診後の検査ラッシュ

前段が長くなってしまいましたが前回からの続き。

初診後の2020年10月初頭、まず院内トリアージを受けてこの先受診、検査する科と内容をズラーっと出してもらいました。アトピーもちだし幼児期に入院してるし救急車もこの時点で3回乗ったことあるし(後に+1される)病院なんて通い慣れたもんですがこの項目数と内容はびびりましたね。いろんな科の先生がぞろぞろ診に来ました。大病院でも指定難病って珍しいのかな?健康診断でやってるようなことにプラスしてCTやMRIも撮りました。

正直、初診直後のことは初診のインパクトとまだ病気の深刻さを理解していなかったのであまり正確には覚えていません。以下は診療明細書を引っ張り出してこんなことやったなー!みたいな感じで書いてます。ちなみに各検査から結果が出るまで科を跨いでいろいろやってるので検査項目は時系列順ではありません。

腎内科・リウマチ膠原科

自分の[指定難病]をメインで扱う科になります。病院によって多少名称が異なるようです。
呼吸器内科に掛かった後ここに渡されました。直接何か施術することはないですが、検査項目を決めたり結果を精査したり病気の説明、薬の種類や量その他体調について診てくれたりと諸々を統括。かかりつけ医、主治医ってやつです。初診後の疑いの時期は4人くらいの人に診られてました。今は1、2ヶ月間隔でに1人の先生に診てもらってます。話しやすいし、電話も受けてくれてめちゃ頼りになります。

この時期は[指定難病]自体の説明と検査内容、治療法の説明についてが主でした。[指定難病]が指定難病(わかりづれーな;)だって聞いたのは2回目以降で、聞かされたときは現在の病状と後の症状について説明されており余命宣告や何か制限を受けるわけではないとのことでしたが…まぁショックはショックでした。
それでもまだ楽観視していましたが、嫁や親になんて言おうかスゲー困った記憶があります。

呼吸器内科

初手肺炎疑いで来たので引き続き。定番の聴診器とレントゲンだけでなく初めて受ける検査がいくつかありました。肺が駄目になってるせいかここの検査が今でも一番キツイです;

体プレチスモグラフ法

体プレチスモグラフ法は,患者に密閉した箱(body box)の中に入ってもらい,肺気量,口腔内圧の変化を測定してBoyleの法則を利用して肺胸郭内にある肺容量を算出します

機能的残気量 (臨床検査 61巻10号) – 医書.jp
呼吸機能検査


大きな呼吸をしたり、勢いよく息を吐き出したりして、肺の機能や病気を調べる検査です。手術前や、肺気腫、気管支喘息などの病気を調べるために行われます。

検査は口だけで呼吸をするために、マウスピースを口にくわえ、鼻を専用のクリップで挟みます。
その状態で検査技師のかけ声に合わせて、通常の呼吸から大きく息を吐いたり吸ったりします。
この検査は患者さんが上手にできるかどうかで結果が大きく変わります。

呼吸機能検査 – 日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院

引用文の最後の一行が全てなんですけど、めちゃくちゃ大変なんす;
呼吸機能検査は肺機能検査機器(スパイロメーター)と呼ばれるもの、画像のモニター横の黒いBOXにホースを繋いで検査員の指示に従って上図のような手順で息を吸ったり吐いたりします。もしかしたらコロナの検査でも使ったりするのかもしれません。

で、文章でこの大変さを伝えるのはなかなか難しいのですが、まず患者は鼻をクリップでガッツリ抑えられそもそもとして呼吸器に何かしらの疑いがある状態です。そして上図の動作を指示されるのですが、その際の検査員の指示の仕方は

「まずはゆっくり呼吸してくださーい…」

「一気に吸ってー…!」

(生唾飲み込むような一瞬のタイミングがある)

「はい、吐いて!吐いて!!」

「もっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっと吐けなくなるまでもっともっともっともっともっともっと吐けなくなるまで限界まで吐き続けてもっともっともっともっともっともっともっーーーともっともっともっと吐ききってもっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっと吐ききって吐ききってもっともっともっともっともっともっともっ…(コーチャーの進塁ジェスチャー付)」

(こちらの動きが停止したのを見計らって)

「はい、では(数値)見ますねー」

こんな感じですw(伝わんのか)
ちなみに息を吐く時はゆっくり長く吐き続けるのではなく初速の勢いが重要らしく、顔から30cmくらいのところにキムワイプを翳されそれを「プッ!プッ!」と勢いよく吹くテストをしました。
検査員さんはマジでジェスチャー付きで応援してきます。そして数値を確認して曰く、

「あまり良い数値にならないのでもう一回やりましょう」

後々最低でも2回はやって比べるって分かりましたけど、いや、問題あるから検査受けてんのに良い数値が出ないって何やねんありのまま記録してや。肝臓の数値悪いからって肝臓取り替えてこいって言わんやろ、な気持ちで「は?」って顔になりました。もちろん「良い数値」ってのは「健康な値」ではなくタイミングとかだっていうのは分かりますけど。
肺やってるので1回やるだけでかなり疲れるんですが、検査機の方も何かチャージするんだが排気するんだかで5分くらいインターバルがいるので連続でできません。時間をおいて再検査…

「もう一回やりましょうかー(笑」

5回やりました。鼻は痛くてぐずぐずになったし単純な疲労と下手クソ(なのかもよく分からん)でスミマセン…て感情で激疲れしました。吐いてる途中に「あ、吸っちゃいました…」でやり直しも1回。そうなると単に機械待ち。3回目が終わった時には水汲んできてくれました…。しかも数ある検査の1種目でこれ。
これをやる部屋が3、4室あるんですがどの部屋からも検査員さんの「もっともっともっともっともっと…!」が外まで響き渡ってます。こんなんおばあちゃんとか無理やろ…。
病気すると「治療が大変」なんて言われることがありますが、自分はそう思うような経験なかったんですよね。この時初めて「治療が大変」を理解しました;

今はだいたい3ヶ月に1回この検査をしますがまだやり直すことあります。やりたくない。

負荷心エコー

負荷心エコー検査は、運動や薬物により心臓に負担をかけることによって、安静時には認められない心臓の筋肉の動き、血液の流れ方の変化について超音波を用いて調べる検査です。 当検査室では、仰向きで自転車(エルゴメーター)をこいでいただく運動負荷心エコー検査を行っています。

生体検査・健診 – 負荷心エコー検査

こちらは循環器内科で診てもらいました。[指定難病]は心臓にも影響あるのでその検査のひとつです。心臓もと言われるとさすがにちょっと焦りましたが今のところ大丈夫です。そしてこれもめちゃくちゃキツイ;

やること自体は簡単。健康診断で身体になんかペタペタ貼って検査することがあると思いますが、あれを左画像の拷問具の上でやりつつ、なんかよくわからない傾いた状態で備えられているペダルを漕ぎ続けます。30分以上。長い。ツラい。こちとら肺炎ぞ。
今度自覚症状についても書く予定ですが、この時の自分は運動不足とかいうレベルを超えて弱っていたので単純にキツかったです。歯医者で「痛かったら言ってくださいねー」とか言われるじゃないですか。ああいうの(でも必要な痛みだしな)と思って痛かったとしても終わるまで平気で耐えるタイプなんですが、これに関しては最初の「無理と思ったら言ってくださいねー」に対して即答で「無理っす」でギブアップしました;

この検査はこの時と入院治療後に1回やっただけです。今やったら数値は良くなってると思いますがやりたくないですね。おじいちゃんとかこんなのできるんだろうか…。

心臓超音波検査

心臓超音波検査(心エコー)は心臓を輪切りして心臓の状態を見ることができる検査です。超音波という『音』を使って心臓を検査するので、放射線のように身体に害はなく、今現在の心臓を観察できるとても有用な検査です。

【循環器コラム】心臓超音波検査(心エコー)ってどんな検査?

いらすとやの絵があって草。まぁ、もっと実際に近い画像を置いときます。これは負荷心エコーと同じで心臓を検査したのですが呼吸器内科で受けた検査と違い、めちゃくちゃ気持ちよかったですw

これを書くとセクハラクソオヤジ感満載でアレなのですが、照明落とされた暗い部屋で身体を密着し抱きかかえられた状態でゼリー塗られて機械でぐりぐりされます。もう単純にマッサージです。しかも健康診断の心電図検査と違いけっこう長い時間やります。行ったことないですが如何わしい店感凄いです。

確定診断前、入院中、退院後の3回やりました。通院時毎回やってもいい。

皮膚科

肺炎で来たのに手荒れの指摘から始まりまさか皮膚科を受けることになるとは思いませんでした。皮膚科はアトピーで30年以上お世話になってますが思えばアトピー以外で掛かったことがありません。

皮膚科でやったことはまず、[指定難病]の皮膚(肌)に与える影響の説明などの問診、触診でした。肌のトラブルは全てアトピーで自己解決してきたので改めてアトピーのチェックと説明も。触診は皮膚をつまんだり爪の付け根と皮膚をハンディー顕微鏡?で見たり([指定難病]の特徴的検査らしい)。確かにアトピーで掛かってやるようなことじゃなかったなと。

決定的だったのは「○○なことありませんか?」っていろいろ聞かれるんですが、身体のことなんてよっぽど不調だったり変化を感じたり、身長体重のように見た目で比較できない限り自分が基準、「普通」じゃないですか。[指定難病]の症状の一つに皮膚が硬くなることがあるのですが、自分の肌が硬いかどうかなんて分かりますか?石や金属のようになってたらさすがに自覚あると思いますが、ずっとこれで生きてきたし、女の人よりは硬いんじゃないかなくらいは思いますが、他の男の肌なんて触ったことなんてあるわけないし。
で、皮膚科の先生は見た目20代前半(医者なので実際は30くらいだと思われ)の高身長細マッチョ、慶応にいそーって感じの若干チャラさのある兄チャン先生(受け答えのノリも軽かったんですがちゃんと良い先生)だったんですが、素直に「いや、他の人の肌がどうか分からないんで(自分が硬いのか分からない)…」と答えると脇腹を差し出して来ました。っかぁー身体に自信あるんでしょうねー!と思ってつまませてもらったところ

…柔らかい

え、人間の肌ってこんな柔らかいの?みんなこんな?うっそ、マジ??って感じで衝撃でした。前述の通り兄チャン先生は全然デブとかじゃありません。むしろその逆の存在。腕もつまませてもらいました。オイオイまじかよ…。肌の硬さは男女の大きな差だと思ってました。
とは言え[指定難病]になる前は今の硬さではなかったと思うのでゆっくり進行していたんだと思います。体力測定では柔軟性がぶっちぎりで高く、身体が綺麗に二つ折りにできるくらい、器械体操が得意で身体の柔らかさには超が付くほど自信あるのですがそれとは関係無いポイですね。

また、皮膚科でやった大きいことは生検(生体組織診断)です。

生体組織診断

生体組織診断は、病変部位の組織を採取し顕微鏡で病変部位を観察することによって、病気の診断または病変の拡大の程度を調べるために有用な臨床検査の一つ。 死者を解剖する病理診断を剖検というのに対し、生体組織診断は生体から検体を採取する方法であることから生検ともいう。また、生検組織診、バイオプシーとも呼ばれる。

ウィキペディア

左前腕の外側、真ん中あたりを2cmほど切りました。人生初メスです。手術箇所は小さいですが手術台にも初めて乗りましたね!
まぁ、ちょっと肉を採ったってだけの話なんですがこれで答えが出ましたね。

確定診断

というわけで生検をもって腎内科の先生から[指定難病]の診断が下りました。12月中旬。初診から約4ヶ月弱。この間検査のみで治療は一切無しです。薬の処方も無し。病気が確定していないのだから当然なんですが、検査や病気の説明を受けているうちに症状を自覚していき、実際かなり辛くなっていたので11月くらいに「検査もいいんですが治療してくだせぇ…」って伝えてました。とりあえず楽になる薬でももらえればと思いましたがそういう訳にもいかんのでしょう。実際「とりあえず楽になる薬」無いので。
で、ようやく治療が始まるんだーと思ったらびっくり「入院いつからにします?来週からにしましょうか?」

聞いてない。手術とか大きな治療無い言うてましたやん; 来週から言われましても家族に伝えてないし職場にも連絡してないし当然仕事の調整も全然だしもう年の瀬ですがマジすか。
そんなわけでこちらの現状を先生に伝え、仕事の調整や入院準備に半月時間をもらい新年(21年)は三賀日終了後入院スタートと相成りました。

次回

入院期間は約2週間だったのですが、また長くなりそうなので分割になるかなというのと、その前に一旦今回書こうと思ってた確定診断までの自覚症状について書こうと思います。
そして病名公開も考えています。というのもやはり隠して詳細体験を書くのは説明しづらいのと、先日木村貴宏さんが指定難病で亡くなられたと報じられましたがその患者数の少なさにやはり同じ病気をもった人に情報が届いてほしいなという気持ちが強まったためです。
あまり深く考えていませんでしたが自分の病気も男性患者で絞ると2、3千人しかいないんですよね…。

引き続き闘病記事は続けていきますし、日記的な内容から早く認定審査とか傷病手当とか実際に役立つ情報を書けるパートにたどり着きたいと思ってますので、気にかけていただいてる方々は暇潰しにでも。もし病気で悩んでる方がいましたらなんと言いますか、お互い適当に頑張りましょうという気持ちで読んでいただけたらと思います。

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